前回、ローカルブレイクアウトでWindowsUpdateによるインターネット通信の帯域不足対策をという話をしましたが、比較的お手軽にできるヤマハ RTXシリーズルータでの話を先にします。
法人ユースでの拠点間VPN接続などへの使用に人気のあるRTXシリーズですが、特に人気機種のRTX-830でも追加オプションライセンスで簡単にローカルブレイクアウトの設定ができます。そのライセンスは「DPIオプション」です。
このライセンスを追加することによって通信内容からどのアプリケーションによる通信か判断してくれます。ダッシュボード画面でどのアプリケーション通信がどのくらいの帯域を使っているか可視化できます。さらにこの判別機能を使ってスタティックルートを切り分けることができるのです。しかもこのオプションは年間ライセンス制なのですが、かなり安価です。(しかも30日無料体験ライセンスもあるのです。)
設定は管理画面からGUIで設定することも、コンソール画面からCUIで設定することもできるのです。
ヤマハのホームページに設定方法の例が出ていますので、ほぼそのまま設定ができてしまいます。
拠点間をVPNで繋いでいて、インターネット抜けはデータセンターや本社のUTM経由からしか出られない構成で拠点側の回線をいくら太くしても帯域が足りないような場合、WindowsUpdateやMicrosoft365などの決まった通信だけこのオプションを使って別の回線から逃がすことができれば本来のVPN回線に余裕ができ、業務系通信を安定的に運用できると思います。私も自社の拠点のネットワーク負荷をこの方法で解決しました。
ネットワークの管理を自社で行っていて、帯域不足に悩んでいる方はぜひお試しください。
次回こそはFortigate版の説明ができるかな?